エンジンの整備は定期的に、またいつもとかかり具合が悪い、いつものエンジン音と違うなど敏感に感じ取って早めのメンテナンスを心掛けてください。
簡単な整備でも何も整備しない物と比べればエンジンの寿命は飛躍的に長くなり海で使っていてもなめらかな使い心地で気分も高揚するものです。
ユーザーメンテナンスもある程度必要ですが内燃機関や心臓部の修理は2馬力であっても全体のバランスがあり多くの知識と経験が必要です。
2〜3年ごとの点検整備は是非鎌倉ゴムボートコングにお任せください。
点検後の試運転はエンジンオイルを入れて行いますが地方発送の場合はエンジンオイルを抜き取ってから梱包発送となりますので到着後の使用は必ずエンジンオイルを入れてください。
エンジンやボートの修理箇所の保証は付帯していませんが修理・整備完了後のチェックは念入りに行ってお渡しまたは発送させていただきます。
【船外機メンテナンス・修理のお問合せとお見積り方法】
修理状況・メンテナンスのお見積りはウェブサイトのお問合せページからメールアドレスと携帯電話番号の両方を記入し修理箇所の状態を簡単に記入してください。
後ほどこちらからメールを差し上げますのでこの2回目のメール返信で修理箇所の画像を添付してください。1枚より複数枚の方が見積りしやすいのでよろしくお願いいたします。
また、メールアドレスの誤記入が多々ありますので携帯電話番号も併記してください。
エンジンオイル交換は使用頻度が低くてもシーズン1回はやりましょう。
エンジンオイルの適量は少なくても多すぎてもいけません。エンジンオイル点検窓をみて窓の上下中央くらいが適量です。たまにエンジンがかからないので修理依頼の持ち込みがありますがエンジンオイルが多すぎてキャブレターまで回り込み点火不良を起こしている場合があります。
その他、点火不良の事例ではエンジン運搬時に横に寝かせますが寝かせる方向が機種やメーカーによって決まっています。同行者の方などに任せていると誤まって寝かせる方向を逆に置いたりするので最初に最低限の取扱説明をしておきましょう。
エンジンオイルの点検は自動車と同じで点検棒を抜いて汚れ具合・減り具合を確認してください。
ギヤオイルもエンジンオイル同様にシーズン1回はやりましょう。
よくある事例でPEラインをプロペラシャフトに巻き込んだまま使用しているとシール(防水性)がなくなり海水がロアボックス内に侵入しギアを痛めてしまい、ひどい場合はロアボックスごと交換修理しなくては治らない事もあります。
ギアオイル交換時に古いオイルが白濁していれば海水混入が考えられますのでプロペラシャフトの異物巻き込み点検と交換ネジ(上下2本)に装着しているパッキンも新しい物に交換しておきましょう。
パッキンはギアオイル交換時は一度緩めると防水効果がなくなりますので都度新品に交換してください。
こちらでギアオイル交換する場合は上記の点検項目は常に行います。交換後のエンジン始動点検も行い不具合の早期発見を心掛けています。
プロペラシャフト点検
テグスが巻いてました。プロペラシャフトのオイルシールが正常か確認するにはギヤオイルを必ず点検してください。
ギヤオイルが乳化(白濁)してたら水(海水)が侵入している証しなのでオイルシールを交換。
オイルシールはプロペラシャフトからの海水侵入を防ぐ薄い膜状のパーツです。ここへテグスなど異物が絡みつくとオイルシールである薄い幕を破損し海水がロアボックスへ侵入する原因になります。
プロペラシャフトのオイルシール交換は圧入するため難易度の高い作業となるのでユーザー修理よりは当方へ依頼された方が賢明です。
ギアオイルの交換ネジ(上下2本)に付属するパッキンはネジを緩めたら必ず新品に交換してください。
プロペラシャフトのシール(防水)処理は当方にご相談またはご依頼ください。
写真はトーハツMFS2のインペラ交換
冷却水の出が弱いと感じたらインペラのヘタリを疑ってください。
冷却水が少ないと真夏など気温が高い時に思わぬ事態でオーバーヒートする可能性があります。
海上でエンジン始動時は常に冷却水の確認をする癖をつけましょう。
要注意事項:
水冷エンジンは空中で絶対に始動させないでください。冷却水が無いと燃焼熱のため数秒でインペラが変形しひどい場合は固着したり破損し、エンジンを焼きつかせてしまいます。短時間なら大丈夫だろうと空中でエンジンを始動する方を時々見かけますが必ず吸水口が水中に入ってから始動してください。
エンジン暖機運転のため少しだけ陸上でエンジン始動しても大丈夫だろうは間違いです。
2番目写真左側が変形したインペラです。
新品(右側)のインペラと比べるとしっかりクセが付いているので交換時期です。経年劣化でも変形した物は吸水力が弱まるので冷却水の出方を常に確認して使用してください。
ポンプケースのボルト(4番目写真)もかなり塩ガミしていました。
錆びていなければ塩分を洗浄しグリスアップして再装着します。
試運転し写真(3番目)の様に勢いよく冷却水が出ていたら良好です。
エンジンのかかりが悪い時に点検・清掃を試してみるのがキャブレターの点検清掃です。
長期間使用していると知らない間に異物・ゴミがキャブレター内部に侵入しています。結果、点火不良やジェット穴のつまりなど多方面に悪影響を及ぼします。
定期的にキャブレターの分解清掃をお勧めします。ご自分でするのが不安な方はご依頼ください。持ち込み以外の方で運送会社へ依頼の方はエンジンオイルを完全に抜いた状態で発送してください。
写真はホンダ2馬力のキャブレターをバラしたところ、チャンバーのガソリンにゴミが混入していました。
内部タンクを清掃すると砂が大量に入っていました。
水は入っていませんが、給油する携行缶も時々チェックしましょう。
エンジンのかかりが悪い時にキャブレターの点検清掃ともう一つ要チェックはジェット穴のつまりです。
エンジンの回転が上がらない・アイドリングが不安定などもキャブレターの他に点検が必要なのがジェット穴の点検と整備です。異物を取り除く程度に細い針で清掃していきます。穴を無理にこじ開けたり歪めたりしないように慎重に整備します。
ジェット穴が詰まっていたら内臓ガソリンタンクや外部ガソリンタンクの異物混入も同時にチェックしてください。内臓タンクの清掃は難易度が高いので定期的に点検整備の専門家への依頼を勧めます。
外部タンクの異物混入も定期点検をしてください。
写真は内臓ガソリンタンクを清掃すると砂が大量に入っていました。
水は入っていませんが、給油する携行缶も時々洗い流しましょう。廃ガソリンは行きつけのガソリンスタンドでもお願いすれば引き取ってくれます。
内臓タンクの清掃は以外と難しいものです。エンジンを逆さまにするとエンジンオイルが漏れてキャブレターへ侵入するなど多くのトラブルが予測されますのでこちらへお任せしていただくのが懸命です。
写真はホンダ2馬力シリンダーヘッドカバー交換のため全バラシ状態です。
シリンダーヘッドカバーが腐食で穴が開きオイルが漏れます。エンジンを分解しエンジン心臓部を取り外して確認、やはりヘッドカバーにサビが回り穴が空いてました。
オイル漏れが治らない時はここを疑ってください。この修理はかなり難易度が高いのでこちらに依頼される方が懸命です。
根元が擦れてケバだっているので、切れる前にスターターロープ交換。
海上でロープが切れるとエンジン始動は不可能です。定期的に点検し交換をお勧めします。
エンジンを固定しているボルト、アンダーカバーに埋まっているので、なかなか洗いにくくサビやすい。六角頭が腐ると外すのが大変。腐る前に交換。
グリスを塗って取付。
写真はトーハツ20馬力
上記に挙げた項目を点検し必要に応じて交換・整備いたします。
今回はキャブレターの分解清掃に重点をおきその他主だった点検整備を行いました。
機関の不具合はいきなりやってきます。検査エンジンは最低でも中間検査ごとの3年、2馬力以下の検査不要のエンジンも2〜3年毎、お勧めはシーズンが始まる春先に年1回の定期点検整備をお勧めします。
主な点検整備内容
エンジンオイル交換
ギアオイル交換とシール点検交換
プロペラシャフト点検(異物巻き込み)
インペラ点検交換
キャブレター分解清掃
ジェット穴の整備
内臓タンクの異物点検清掃
シリンダーヘッドカバーオイル漏れ点検
リコイルスターターロープ点検
各ボルトの腐食点検・交換